サポート精査

3Dプリントの設定は、樹脂や露光については各製造元の設定情報ほぼそのままでごく一部を若干弄る程度で済ませ、サポート密度なんかはどうにもなんとも言えぬ経験則でやってきたのだけど、硬化しにくくなるという低温ではどうすんだ、とか、縦長のものでサポートの要不要に悩む場合にやってみるしか手がないってのもいかんわけだよ。
高さのあるモデルだと10時間超えとかあるし、失敗すると損失がデカすぎるっちゅうもんでな。
人に問われたときに「うんそりゃ経験則なんで説明できんのぅ」とかキツいしな。

ほんでまぁ、ガッチリ固めることはできないだろうがなんぼかでも基準となる情報を持っておこうと今更にして思い立ったわけですよ。

まずは実力を知っておこうかね。
材料の樹脂の方は手持ちで6種、今後も増える一方であろうのでここはひとまずおいておき、プリンタの実力を測っておくべし。

普通はユーザならばこういうのは知っておきたいと思うべきことなので、テスト用の3Dモデルはたくさんフリー配布されておる。
あたしゃ今まで”たまたま”失敗少なくできておったので『何もおもろくないテスト専用モデルなんぞ出力してもつまらん』と今まで出したことはなかったが、テストモデルを3種戴いてきて等倍ではビルドプレートに収まらなかった1種を除き、2種を打ち出してみることに。
樹脂は、8Kはお高めで貴重なので使いたくない、Water-washableと4Kは粘度やUV感度が似ている、他3種は殆ど使っていない、ということで4Kでやってみる。

ほんで出力結果。

凸の筋はまぁOK。0.1mm幅と思われる最細はよれているけどこの程度は構わん。
凹の方は0.4mm幅から埋まり始め、0.1mmではもう線程度のくぼみでしかない。隣接構造との間隙が0.5mmを切ると繋がりかねない、と覚えておこう。

横梁は、最短以外は層剥離しておるな。今までの打ち出しでも度々食らったので重要。
柱から10mmくらいまでは保っているので、梁の幅3mmとして30mm^2あたり1本サポートが要ると覚えておこう。

もう一つのモデルは、問題の内容自体は同じなんだが数は多く出た。

赤 : データ上はもう1重溝があるが埋まっている
黃 : 最小の横穴が貫通していない
紫 : 3つ極小穴野データがあるが完全に埋まっている
橙 : 穴が埋まってただの窪みになっている

まー要するに狭い間隙は埋まるぞ、ってことで。
結果としては1つめのモデルで得られた情報と同じなので、

  • 間隙は0.4mm以上
  • 30mm^2あたり1本のサポートが必要

これがPhrozen Aqua 4Kでの結果。
露光条件とか色々詰めるともうちょい変わりそうだが、大きく変わりはしないことが後述のサポート設定検討から見えたので、基準の知識としてこれで良かろうかと思う。

さて続いて、サポートそのものの検討。
サポートは最初のChituboxのプリセットで接続部の円直径0.5mmで無難に色々出力できたので、それをほぼそのまま現用のFormware 3Dに持ってきた感じ。
まぁね同じく無難に色々出せるものの、もちっと接続部を小さくしたりできんかな、と思うわけだよ。
サホート外したあとの面が荒れるので接続部を極力小さくして影響を減らしたい。

サポートも検討用の優れものモデルが公開配布されているので、戴いてきて早速検討。
球状構造と円錐状構造の2つのモデルをそれぞれ4つ配置し、接続部径0.35mm,0.56mm,0.70mm, オマケに自動サポート0.35mmのサポートをそれぞれ付けて出力。

デフォルト露光時間の2000msの結果がこれ。
いや~ダメダメだ、球状構造の0.56mmと0.70mmの2つしかできちょらん。
自動サポートは円錐のほうで形ができているがこれは大量サポートついているからね。それに、見えないが実は中心のサポートは切れておって正しい成形はできてないのだ。

球状構造も円錐構造も半径3mmなので、XY平面の投影面積は28.26mm^2。先の検討で1本サポートで行ける見込みなのでサポート密度の問題ではないということになる。でもさっぱりだめですな。
ただ、サポート先端の球体は0.35mmでも残っているので、構造体の1層目からちぎれた様子。

そこで露光時間をちょい増しの2300msにして再出力。

うーん0.70mm円錐が1個増えただけかぁ。
でも0.56mm円錐も、途中まで成形して途中で保たなくなって落ちているので、2000msよりはマシになっているといえようか。

で、ここで時間切れ。続きは日を改めて、だ。

露光時間を2500msにすると更にマシにはなりそうだが、7つ(8つ)全て完全にするには2500msでも足りず2800msとか3000msとか要るんじゃないかって感じなんだよな。
だがPhrozen Aqua 4Kのメーカ推奨値は2000ms – 2500msになっていて最大値超えになるんだよな。
まー別に推奨値なぞ超えようが下回ろうが全く構わんっちゃ構わんのだが、他の要因が支配的なんではないかと気になる。

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サポート精査 への2件のフィードバック

  1. 匿名 のコメント:

    役にたつリポートありがとう
    時々覗いて 元気だって確認して 北海道から応援してます

    3Dプリンター 欲しいんですが まだ買ってません

  2. Pote のコメント:

    SLA 4K解像度でもNTD9000を切りだいぶこなれた価格になってきたので手は出しやすくなりましたね。
    OSも公開されていて、FDMならフルスクラッチで組み上げるのも難しくなさそうで。
    FDM機は既製品を買っても組み立てがほぼ必須なので、全部作り上げてもさほど労力は変わらないのでは、などと思っています。

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