黒色無双

台北市内長安東路で、違和感があるほどのつや消し黒なポルシェ911だったかテスラModelS/3/Y/Xだったかを以前ちょいちょい見かけた。
最近見なくなっていたのだが、どうもこの塗料、前にニュースになった低反射塗料っぽい。

んでその塗料が日本で”黒色無双”っちゅう水性アクリル塗料で売り出したらしい、というところまでは知っておる。
もちろん興味アリアリで使ってみたいと思うが、塗料は輸入が面倒でちょっと試す程度で買っていられないんすよ。
ほいでまぁ興味アリとして放置だったところ、先日昼食時に話題が出まして、探ってみたら蝦皮で小売しておる方がおられるのでほいぢゃいっちょ買ってみるか、となったわけですぢゃ。

さて”黒色無双”は時間が経って今は更に低反射な”真・黒色無双”が出ておる、と。
蝦皮では、黒色無双は受注輸入、真・黒色無双は少ないながら在庫ありで価格差は$10程度となっていて、ほんなら真・黒色無双買うよね、となるわけだ。

1週位かかるかと思っていたが3日ほどで指定の蝦皮受け取り店舗に着いて、早速引き取って塗ってみることに。

$905。量が多いので他の輸入モノ塗料より安い。
例えばタミヤの水性つや消し黒XF-1は10mlで$47とかなので。

粘度とかはパッと見XF-1とかと変わらん。

では早速塗りにかかる。対象物は発注時にすでに用意しておいた。2Bが持っておる刀”白の契約“で。
メーカによると、40%前後の水で薄めて薄い塗膜を5,6回重ねるそうな。
乾燥待ちとか時間がかかるので、2日に渡って6,7回塗って完了。

最後の吹き付けを終えて乾燥中。
左が真・黒色無双で右がそこいらの百貨店で売っているラッカー。
うーん、まぁ黒いんだが、評判や期待ほどではないって感じかのぅ。普通のラッカーに比べりゃバッチリ黒いが、見てもぽっかり無の空間があるような感じにはならない。
光量が少ない、薄暗い室内くらいだとだいぶ無の空間感が出てくるのでダメ製品ってことはないんだけどね。まぁ、生き物の目の感度は良すぎるってことだわ。

人の目は苦しいが、カメラはだいぶ騙せる。
この写真でも、柄の部分は見えるが刀身、特に物打部分とかだいぶぽっかり空間感がある。
撮ってから気づいたが、吹き付けを試すのに使った左に見切れている射出失敗品もかなりイケてるな。うさ耳の中間に四角いリングがついているのだが、耳に重なった部分がだいぶ埋もれていてぱっと見突起に見える。

これも、カメラはこの通りだいぶ騙せるのだが、目で見ると鍔も房も立体感が見える。

期待ほどではなかった、ってところなんだが、すごく有効な環境もあって、

初日の吹き付けを終えて一旦掃除するんでカップに残った塗料を捨てた直後がコレ。
めっちゃ黒くて中の構造が全く見えん。写真はもちろん、目視でも。

念のため、本来の構造はこんなんだ。
こういう凹部だと、再反射がほぼ皆無になるんで見えなくなるんだろう。

そんなわけで、すごいっちゃすごい。
使い方と使う場面によっちゃかなり効果的で面白いことができそうな感じはある。

使いづらかった部分は、

  • 塗り重ねに時間がかかる
    薄く5,6回塗り重ねる、っちゅう作業がなかなかに手間である。
    水性なんで乾くのが遅く、薄塗りなので1分に満たないくらい吹いて10分20分乾かして、を繰り返すのがね、作業の時間が極短で待ち時間が長いもんでなんかすごく飽きるっちゅうか。
    ラッカータイプとか欲しい気もするが、そうすっとまた貿易輸送でガチャガチャ起こってダメなのでそうもいかんな。
    水割りIPAとかで薄めたらどうだろう。やってみるかな。
  • 弱い
    製造者も言っている通り、塗膜が弱い。
    まぁこりゃ構成上やむなしだろうな。
    トップコートとか吹けば保護はできるがせっかくの超低反射が台無しだしな。例えばルアーとか車載部品とか、ああいうところには使えない。
  • ダマダマ
    これも構成上だと思うんだが、すぐダマができて吹き付けでブスブス言い出すのが厄介。
    水を足してみたらブスブスは少しましになるものの乾燥は更に時間かかるし、難儀な問題であった。
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