通関文書入手手配

先般UAEへ、普段よりちょっと多めに製品を出荷した。
大口ということで条件は小売のCPTではなくFCAにしたのだが、先方の輸送者はDHL。まぁ、ええこっちゃで。DHLとかFedexならウチもアカウント持っているし、貿易に慣れておろうから電波法認証上の管理義務で必要になる輸出証明文書もNCC指定通りの”出口報單第五聯”が手に入るでしょう、と。

出荷当日夜にいつも通りDHLから電話アリ、内容は「申告が必要な額だから情報を云々」というアレだ。
いつも通りならその後深夜あたりにFaxで出口報單が送られてくるのだが、念のためその電話口で「電波法によりNCCが出口報單第五聯(海關の捺印あり)を要求しているのできっちりしっかり送ってね」と念を押しておいた。

・・・のだが、翌日になっても沙汰なし。
やがてDHLの貨物追跡で、出国通関完了どころか着荷済みになってもまだ何もなし。
こりゃダメっぽい、ということで電話・・・の前に、後述の懸念から自アカウントからのE-mail問い合わせをだす。もちろん内容は電話口で言ったとおり。
すると意外に早く2時間後、中和の営業所が担当するので連絡を入れます、とのこと。その30分後、その中和の営業所から電話が来た。やっぱ電話なんだよな。

で、だ。
電話はいかんのだよ電話は。

そもそも電話で依頼した件が無視状態になっていることが今回の問題なんだし。
それと、DHLに限らずどうも運送屋は電話ばかりに頼りすぎ。何でもかんでも電話で済まそうとして結果こういう”忘れ”問題がよく起こる。まーマニュアル応対で一方的に話して切れば片がつく、というラクさからそうなるんだろうな。わからんでもない、1日数百件とか数千件とかこなすんだろうしさ。

今回の電話も、3分くらい一方的にゴリゴリ話しているので、話が途切れる、即ちマニュアル読み上げが終わるのを待って「あーすまんな、ワシ言語能力低すぎてわからんわ。文なら繰り返し読んだりして確認できるからE-mailとか使ってもらえるかね。」とちょっくら強めに要求してみた。
ま、事実そうではあるんだが、本来の目的は”やりとりを記録に残す”こと。
また手配がコケたとき文句をつけやすいし、先方の”忘れ”も口頭より防ぎやすいというもの。

首尾よく担当の連絡先(部門代表アドレスだが)を手に入れ、再度文章で「電波法によりNCCが出口報單第五聯(海關の捺印あり)を要求しているのできっちりしっかり送ってね」を依頼。
んでもってやり取りが始まったのだが、

“添付文書に捺印して郵送してください。”
コレが1件目の返信。だがしかし、その”添付文書”が添付されていないのだな。
それに対する我が返信以降の流れが以下、青字がわが返信、橙字がDHL担当で。

1) 文書が添付されていません。再送してください。
2) 必要な捺印の種類は何ですか(大・小・發票)。
3) 捺印文書の返送はFaxやE-mail添付では不可ですか。
4) FaxやE-mail添付が不可ならば、直接持っていっても良いですか。

(文なし)[文書添付]

1) 必要な捺印の種類は何ですか(大・小・發票)。
2) 捺印文書の返送はFaxやE-mail添付では不可ですか。
3) FaxやE-mail添付が不可ならば、直接持っていっても良いですか。

大・小・發票、全て押印してください。

1) 捺印文書の返送はFaxやE-mail添付では不可ですか。
2) FaxやE-mail添付が不可ならば、直接持っていっても良いですか。

捺印済み文書はFaxやE-mail添付ではコピー扱いされるため受け付けられません。

直接持っていっても良いですか。

OK。

はいはい、最初の一文しか読まない。

電話ばかりに偏って頼る輩にこと多いように思うが、こういうのいるよなぁ。
ここ10年位でとみに増えた気がする。あんど、こういう輩、日本に特に多いと思う。
まぁあれだ、
– 文の冒頭しか読めない → 人の話を聞けない、人の話している最中でも割り込んで話したい → 電話至上
こんなような理屈を持っているのかもしれんなぁ。「ほら電話口頭のほうが早くてラクでしょ」とか思わせるとか。
しかし先述の通り、目的は”記録に残す”ことなのでよござんす。万一大きな問題になったらこのやり取り記録が効くというもの。まだ世の中口頭onlyにはなっておらず、橙字のほうがおかしいと思う人も多いのですよ。

しかしあれだ、最初の出荷当日の電話で「はいはい分かった分かった」的なことになったのは一体何なんだろうな。
別途申請書が必要ならその電話口でそう告げにゃならんのじゃないのかねぇ。
やっぱ、人の話は聞かない、というポリシーからなのかねぇ。

なにはともあれ改めて出口報單第五聯を申請する、っちゅうことで申請書も用意できるようになったので、早速用意して直接持ち込む。
直接持ち込むのは、まだなんと無しの不安があるから。どうもあと数個くらい罠が仕掛けられているような気がするので、郵送だのmailやり取りだのしているとえらい時間を喰ってしまいそうな予感がするのでして。

さて持ち込んでみると、困ったことに案の定まだたくさん罠が残っておった。

まず最初、営業所の受付らしきところに担当名(おそらく部門名だが”ISA”)を告げると、全く通じない。もちろんISAと書いても通じない。
担当者個人名は知らないし聞いても名乗らないのでどうもならん。
そもそも、申請書フォーム自体を見たこともないらしく、コレはなんだ、とワシに聞いてきたりする。アンタ方の指定文書に関してワシに聞かれたってわかるわけなかろうもん。
んで何やら内線らしき電話を繰り返したり一時いなくなったりして10分位後、「んじゃこの文書預かって担当に渡しておくから。」ですと。
そりゃ大いに不安だよ。そのまま行方不明になる可能性極大ぢゃないか。ベタベタ捺印だのサインだの入れてあるし、電波法管理上も行方不明になられては大いに参る。
で、揉めに揉めて1時間弱、ようやく担当部門から誰やら受付に現れ、なんとか申請完了。

その担当者が言うには、

– 発行には海關に手数料NTD100を支払わなければならない
– 手数料支払はひとまずDHLで代行し、発行後文書を集配人が持っていくのでその場で支払う。
– 発行までには1ヶ月くらい必要。

だそうな。
そういう情報は電話やmailやり取りの中で先に知らせてくれよ。
ウチは社内に現金置かないやり方だし、個人的にもド貧乏だからNTD100がいつでも渡せる状態ではないぞ。
NCCへの報告は期限1ヶ月前に通知文書が発送されるので、期限通知が来てから「あれ、あの出荷の出口報單まだ来ていないな」と要求しても間に合わんっちゅうことぢゃないか。

実際のところ今回は報告期限まで数ヶ月あるので十分なのだが、今後のための確認も兼ねて、
「うぅ、そりゃ長い、困るわー。NCCへの報告期限は3週間後でもう督促が来ているんだが・・・。仕方がないとはいえ、なるべく早く入手してくだされ。」
と頼んでおいた。
で、結果、土日を挟んで3稼働日後に届いた。なんだ、軽い1度だけのpushでここまで早くなるなら「あれ、あの出荷の出口報單まだ来ていないな」で急遽申請しても問題ないな。

結果としていろいろわかって知恵の付いた部分もあるが、もーちっとこう”マトモ”にならんもんかねぇ。
なおこういうの、台湾だから、とかじゃないぞ。こういうのは日本のほうが多くてひどくて悪質だぞ。

カテゴリー: 台湾生活 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です