中文では、2倍は一倍、3倍は三倍、であるらしい。
なんとも妙に感じるが、日本語でも2倍を倍というしまぁそういうもんだと思おう、としていたんだが、最近読み進めている『耳嚢』の中の話で我が勘違い発見。
鯲を不動呪の事
鯲を買ふ時、升に入りても踊り狂ふ故、一升調へて外の器へ移せば纔也。末の蓋を臍へ当て白眼つけて升らせれば、頓て一倍也と人の語りし也。
一応我流で訳すと、
泥鰌を動かなくするまじないの件
泥鰌を買うとき、升に入れても暴れるので一升計ってもほかの器に移すとわずかしかない。小さな椀の蓋を臍にあてて泥鰌をにらみつけて計らせればそれは2倍にもなる、とある人が言っていた。
というわけで、200年ほど前は日本でも2倍は一倍だったわけだ。言葉の変遷だったらしい。
そういえば『人一倍』とかに残っているか。そうだな。
これ、いまだによくわかんなくて、三倍は4倍だと思ってました(ややこしい)。「2倍」も「一倍」はどうも違和感があって、「加倍」と言ってみたり。「一倍」って言えるくらい売れよこら、とか… 言ってみたいです。
『耳嚢』!
江戸モノは原文でも読んだらなんとなく分かるからいいんですよねえ。うっとり。
「ゆ」様こんにちは。
> いまだによくわかんなくて、三倍は4倍だと思ってました(ややこしい)。
一様一様、私も『希望の倍数+1』と思っていたことがありました。
当初はわけわからんのぅ、と思っていましたが、今回も挙げたとおり日本語もたいがいわけわからんので似たり寄ったりか、と思い直しました。
かいと様こんにちは。
> 『耳嚢』!
しまい込んで開けることもなかったスーツケースの中からごく最近発見し、目下巻之四であります。
どういうわけか移住の時に耳嚢だけ持ち込んだようです。我がことながら理由がわかりませんが。
> 江戸モノは原文でも読んだらなんとなく分かるからいいんですよねえ。うっとり。
数百年たっても行動や考えは変わらないんだなぁ、などと感じつつ読み進めております。なかなか楽しいですわ。