ネジ類とか

前回のエントリに続き、新企画製品の部材について。

9月末からひきっぱなしの風邪がどうにも治らんのだが、そんな中でちっとばかり大問題が。しかも2つ。

  1. 3.0mm ISOネジ
  2. 三脚用ナットがピッチ違い

1.については前回見つかっていないと挙げているが、大陸製品を買ってみたわけですよ。
でも長さが。数十個測ってみたところ概ね2.6mmくらいで仕上がっている。
ここ、結構神経質な部分で2.5mm以上3.5mm以下なんだが、実際ネジ長が2.6mmだと0.1mmしか食いつかないので強度に問題が。

2.は、春に入手したサンプルはOKなんだが、後で届いた図面はサンプルとは違うという罠があったのだわ。
ピッチまでは調べなかったわー。
サンプルは線対称なのに図面は線対称になっていないのは気づいたのだが、そこで徹底的に調べるべきだったな。

まぁ、よく知られた大陸製品の罠ですわ。
ここ数年大陸製品の検討をやっていなかったので、うっかり油断・信用してしまった。やっぱ今もガッツリきっちり実見検分してからじゃないとダメですな。
昔を思い出した。反省ぢゃ。

さてISOネジだ。
まーそんなこともあろうかと北米のPLが台湾の代替候補を探してくれていたので、即台湾モノの検討に切り替え。
場所は桃園龜山、桃園と聞くとちっと遠めに感じるが、龜山ならかなり近いので楽勝っすよ。
わずかながら大好きな山道もあるので嬉しいっすね。体調めっちゃ悪いけど。

で、工場/本社訪問。
サンプルを確認し規格を見ると、かなり精密。規格は+0, -0.2mmで、実測30個は-0.12以内に収まっている。
これなら問題なし、持って行った実機サンプルに組み付けても問題なしOK。
でも、規格-0.2mm以内なら3.5mm長にするとより確実なので、3.5mmの標準品があるか尋ねてみると、ある、と。
頭の径が大きくなるが、それはむしろ好都合。M1.6 x 3.5に変更の上選定完了。価格は大陸モノよりは高いが他の台湾モノより安く、日本(MISUMI)よりは圧倒的に安価。問題なしだ。

同時に三脚用ナット。
ピッチ合わなくちゃ三脚穴がある意味が無いので大問題だ。
しかもこのナット、ベースの成形部品の射出時に組み付けるものなので、早急に再手配しないとその間射出が止まってしまうのね。至急検討だ。

まず初期サンプルを提供した会社へ連絡。
「初期サンプルと一致しないのはともかく、図面は”M6″なのだから正しい。新たに発注するなら1週間で合うものを用意する。」ということに。
まぁなぁ、そうだけどさ、サンプルと別物なのは問題じゃないんかねぇ。
でもそんなこともめている時間はないし安いものでもあるので、即座に新規発注。もめるなら後でもめるべし、だ。

更に安全策でもう一案、別の調達先から購入。コレも大陸だけど。
現物確認をせずに購入なのでやはり危険ではあるが、まぁ保険だし。

併せてもういっちょ保険、台湾での製造を検討。
これも新莊化成路で作ってもらえるし、メッキ込みで実働7日を確認。最悪はこの方法で。化成路なら射出屋も歩いて行く距離なので、製造即射出もできるというもの。

で、まず最初に届いたものは安全策の別の調達先からのもの。
まー案の定というか、問題アリでしたぞ。

メッキされていない黄銅(真鍮)むき出し品なのは事前に聞いていたのでまぁよし。
だが、品質が凡そ採用に適さないのですよ。

メッキ無し不良品

右上が最もわかりやすいが、偏心だ。

偏心

要はこんなことになっているのね。しかも20個見てその全数。
これで三脚に付けたら、斜めに取り付くことになる。そりゃ三脚は水平調整できるけど、斜めってのは安物感ヴァリヴァリで大変よろしくない。
場合によってはコレにNiメッキして使うことも考えていたが、こりゃダメだ。
PLは「検査で弾かれた不良品を売りさばいていたんだろうな」とコメント。
あーなるほどね。だから大幅に安いしメッキ無しなのか、と納得してしまったわ。

その3日後、新規発注品着荷。
コレは完全、今度はピッチもあっているしメッキも綺麗。解決。
明日にも射出屋に持ち込んで射出再開だ。

今のところの反省としては、やはり今も大陸品を使うには現品の手ずから確認が必須、ということ。
重ねてだが、やっぱ今もガッツリきっちり実見検分してからじゃないとダメですな。
20年ほど前に大陸での生産に携わり始めた頃は、
「いちいち全て現品を一つ一つ確認しなけりゃ使えないんじゃ効率悪すぎで底辺レベル。これから世界中から様々受発注があって成長とともに揉まれるだろうから、その間に慢心せずに文化風習を改善して行けるかが数十年数百年後を決めるだろうな。」
と思っていたのね。当時は応援もしていた。
結局個人的には5年前に”改善は無理っぽい”と諦め、3年前に大陸事務所も引き払ったのだが、失速が表面化した今もダメだったねぇ。
エネルギー費の低減で北米でも同等額で製造できるという噂があるし、北米じゃなくても他国で大陸中国を上回る利点を持つところは多くなった今や、残念ながら大陸中国は機会を逃した、とワシ個人としては思うな。
単純な製品のみならず半導体など”高科技”製品でも、致命的且つ簡単に直るエラッタを放置して売り続けることが多いし、どの分野でも機会を逃したと思う。
もっと家庭的身近なところでも、例えば大根は大陸産が多いが、素が入っているものが多くて一時期スーパーの大根脇に秤が置いてあったりしたもんなぁ。

ま、輸送費などの利点はあるのでまだ大陸製品を使うことはあるが、20年前の期待は実現することはないなぁ、と。
やがては、大陸製品を使うこともなくなるかもしれん。

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